IT業界とは? IT業界の概要と業種の分類を具体例付きで解説します
本記事の概要
この記事では、これからIT業界への転職を目指す人向けに、実際にIT業界で働いている人の目線で、IT業界の概要をやさしく解説していきます。
主にIT業界の概要や特徴、業界内の業種や企業の分類等について解説しています。
- IT業界の概要
- IT業界の主な特徴
- IT業界の現状や今後の動向
- IT業界の業種はどんな風に分類されるのか?
- IT業界の業種の紹介
- 企業を分類した場合の具体例
- 企業を分類する際の考え方
IT業界の概要
はじめに、IT業界のITとは(Information Technology:情報技術)の略です。
IT業界とは情報技術を活用した製品・サービスを生み出し、企業や消費者に提供している業界のことを指します。
現代社会では、ITは我々の暮らしと切り離すことができないほど日常に溶け込んでいます。
皆さんが普段使っている製品やサービスの中にも、ITに関連するものがきっとあるはずです。
Google検索、Youtube、Amazon、スマートフォン、ゲーム、ATM、ネットバンキング、コンビニのレジ、インターネット、WindowsやMacのPC、仕事やプライベートで使うOffice等のソフトウェア、車、電車、飛行機、これら全てにITが関係しています。
製品やサービス単体で見た時にITが関わっていないものもありますが、製品の製造工程やサービスの裏側まで含めるとITが関わっていることが殆どです。
そのため、IT業界と一口に言ってもかなり広範な企業を含んでおり、一つの企業でもIT業界内の複数の業種にまたがる業務を行っていることも多いです。
また、IT業界に分類される企業でなくても、会社の中にITに関する部門が存在することが多いです。(いわゆる情シス部門)
この様に色々なものにITは入り込んでいるため、今後も旺盛な需要が見込まれています。
しかしながら、日本では需要とは裏腹にIT業界において、質と量の両面で人材が不足しており課題となっています。(経済産業省の予測で2030年に79万人が不足)
また、IT業界の職種はいわゆる専門職と言って良いため、一朝一夕にスキルが身に付くものではありません。
日々勉強をし、様々な案件をこなしていく中で実力がついていきます。
この様な職業特性も人材不足の原因になっていると思います。
ただし、仕事を覚えるのに沢山の努力や経験が必要になるというデメリットはメリットにもなり得ます。
仕事を覚えるのが大変だということは、それと同時に、その仕事ができる人が少ないということも意味しています。
他に同じ仕事をできる人がいなければ、価格をダンピングされません。
つまり、実力次第では高い給料を得ることができるのです。
IT業界では同じ作業ばかりをやるわけではないため毎回勉強が必要で(職種や業務にもよりますが…)、日々否応なしに自分自身を高めていく必要があります。
結果として、仕事を通じて色々な能力(考える力「物事を整理する能力、論理的思考力、問題解決能力」、ヒューマンスキル、コミュニケーション能力等)を伸ばすことができることも大きな特徴です。
仕事を通じて自分の能力を高めたい、新しいことを覚えるのが好き、高い給料を得たい、そんな人には向いている業界だと思います。
次章では、そんな我々の暮らしと密接な関係があるIT業界の中に、どんな業種(事業の種類)があるのかを解説していきます。
IT業界の業種
はじめに
IT業界の業種の分類には何か決まったルールがあるわけではないため、分類の仕方は各メディアの解釈により微妙に異なります。
一般的に下記の様に分類されることが多い様です。
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- インターネット・Web業界
- 通信・インフラ業界
- 情報処理サービス(SI)業界
本記事でもこの分類に則り解説をしていきます。
企業が行っている事業によって分類が決まりますが、もう少し分かり易く言うと、企業が提供している製品やサービスによって業種が別れるという風に考えておけば良いでしょう。
先ほども書きましたが、企業の行っている事業というのは多岐に渡っていることもあるため、ここに示した複数の業種にまたがる事業を行っている企業も存在します。
現代企業は多角経営をしているところも多く、複数の業種にまたがる業務を行っていることも珍しくありません。
大きな粒度で言えば、例えば総務省やJPX(日本取引所グループ)で業種の分類を確認できます。
もう少し細かい粒度で言うとNIKKEIなどのメディアでも独自の分類を行っています。
さらに細かい粒度で言うと、企業の公式ホームページ等にも自社で行っている事業の記載があるので確認してみましょう。
まとめると、業種の分類は、分類を行った人の捉え方やその時の文脈により微妙に異なる解釈になることが多い様です。
そのため、その時読んだメディアの観点で見ると、この企業はこの様にカテゴライズされるのだな。そして業務としてはこの様なことを行っているのだな。
ぐらいのことがざっくり把握できれば良いのではないでしょうか。
また、複数の業種にまたがる多角経営をしている企業が多いことも覚えておきましょう。
ソフトウェア業界
自社のソフトウェア製品を提供している企業は、ソフトウェア業界に分類されます。
ソフトウェアの種類とそれを提供している企業としては、例えば下記の様なものがあります。
- OS
- Microsoft:Windows
- Apple:macOS、iOS
- Google:Chrome OS、Android
- ミドルウェア
- Oracle:Oracle Database
- 日立製作所:JP1
- アプリケケーション
- Microsoft:Office
- Google:Google Workspace
- Apple:Safari、Logic
この様なソフトウェアを提供している企業はソフトウェア業界に分類されます。
昨今ではPCにインストールする形で提供されるソフトウェアだけでなく、Microsoft 365やSalesforceの様にブラウザを介しインターネット上で提供されるソフトウェア(SaaS)も増えており、インターネット・Web業界との境界も曖昧になってきている気がします。
こういった時に分類には迷ってしまうものです。
ただし、SaaSの場合でもユーザーへの提供方法が違うだけで、裏でソフトウェアの開発をしていることは間違いないのでソフトウェア業界に分類しても問題ないと思います。
さらに言うとソフトウェア業とインターネット・Web業を兼業している状態でもあると言えます。
この様な場合でも、その企業が作っているものが何か、提供しているサービスが何なのか、を考えることにより、自然と分類が見えてくると思います。
多角経営により複数の業種に当てはまる場合もあることを覚えておきましょう。
この企業はどう分類されるのかな。と気になる方もいるかと思いますので一応記載しておきます。
ハードウェア業界
自社のハードウェア製品を提供している企業は、ハードウェア業界に分類されます。
ハードウェアを提供している企業としては、例えば下記の様なものがあります。
- Apple
- Mac、iPhone、iPad、各種アクセサリ等
- Sony
- PlayStation、カメラ、AV製品等
例では皆さんご存知の製造業の企業をピックアップしましたが、現在では電子機器を搭載したハードウェアにはソフトウェアが不可欠なものになっており、ITが必ずと言って良いほど関連してきます。
また、Appleであればハードウェアだけでなくハードウェアに搭載されたソフトウェアの開発や、Apple Musicの様なインターネットを介したストリーミングサービスなども提供しています。
こうした企業は、業務内容が複数の業種にまたがっている企業の良い例だと思います。
インターネット・Web業界
インターネットを介したWebサービスや、それに付随するサービスを提供している企業は、インターネット・Web業界に分類されます。
インターネット・Web業界の企業やサービスとしては、例えば下記の様なものがあります。
- ECサイト
- Amazon、楽天、Yahoo等
- SNSサイト
- Facebook、Twitter、Line
- Webサイト
- Yahoo、goo、はてな
- ネット広告
- Google、Facebook、サイバーエージェント等
現在インターネットを使わない人は殆どいないと思いますので、非常に馴染みが深いのではないでしょうか?
これらの企業はインターネットを介したサービスを企画・開発し日々業務を運用しながらユーザーにサービスを届けています。
ここに挙げたもの以外にも金融に関わるもの、Webサイトの制作を請け負う企業等、業務やサービスの種類は多岐に渡り、日々新しいものが生まれています。
業務の中身が多岐に渡っているのもインターネット・Web業界の特徴と言えるでしょう。
通信・インフラ業界
インターネットやシステムが動くためには、ネットワークや、インフラ(システムを動かすのに必要なハード等)が必要になります。
それらの構築やサービス等を提供している企業は、通信・インフラ業界に分類されます。
通信・インフラを提供している企業としては、例えば下記の様なものがあります。
- ソフトバンクグループ
- NTTドコモ
- KDDI
- 日立製作所
- Google(Google Cloud)
- Amazon(AWS)
- Microsoft(Azure)
企業名自体はご存知かと思いますが、この業界は皆さんにとって少し馴染みが薄いかもしれません。
アプリケーションの様に目に見える部分というよりは、縁の下の力持ち的な側面が強いからです。
しかし、インフラがなければシステムは動かないし、ネットワークがなければ通信ができません。
通信やインフラ等はシステムが動く上で必要不可欠なものになります。
また、ネットワークやインフラにはセキュリティがつきものです。
ネットワーク、インフラ、ミドルウェア部分の設計でセキュリティの強度が変わってくるため、非常に重要です。
IT業界に入ると、セキュリティに関してはネットワークやインフラとセットで語られることが多いので、ネットワークやインフラにはセキュリティが関係するんだな。ということは覚えておきましょう。
また昨今のクラウドの台頭により、インフラの保守管理をユーザーがしなくて良い環境も整いつつあり、変化の波が起きている業界でもあります。
情報処理サービス(SI)業界
SIとは(System Integration:システム構築)の略です。
Integrationは統合という意味ですが、システム構築の際に必要となる各工程を統合的に実施してシステム全体を作る。ということからシステム構築の意味で使われています。
情報処理サービス業界の企業は、顧客に対して、システムの構築を行います。
自分達のためにシステムを作るのではなく、顧客の依頼を受けてシステムを構築する。顧客のお手伝いをする。という点が大きな特徴と言えるでしょう。
そして顧客となる企業はこれまで紹介した業界(ソフトウェア、ハードウェア、インターネット・Web、通信インフラ)の企業であることも多いです。
顧客側では元となるビジネスやシステムの企画だけをし、実際のシステムの構築はSI業界の企業に委託していることも多いです。
構築するシステムによって仕事の内容がガラリと変わることも大きな特徴と言えるでしょう。
また、システム構築の際の関わり方によって企業は下記の様に分類できます。
- SIer
- システム構築一式、またはシステム構築の一部を請け負う企業のこと。
- 契約の中で請け負った内容に関して責務がある。
- SES
- システム構築に必要となる人材を定められた期間提供するサービスのこと。
- 契約した期間人材を提供すれば良く、システム構築に対する責務はない。
SIer、SES企業としては、例えば下記の様なものがあります。
- SIer企業
- NTTデータ
- 富士通
- 日立製作所
- 日本IBM
- SES企業
- 富士ソフト
- スタッフサービスエンジニアリング
- テクノプロ・ホールディングス
- パソナテック
またこれらの企業ではSIer、SES両方の業務を行っていることも多いです。
案件により契約形態が変わるためです。
まとめ
以上、IT業界について解説してみました。
業界内の業種としてはざっくり下記の5つに分かれます。
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- インターネット・Web業界
- 通信・インフラ業界
- 情報処理サービス(SI)業界
提供している製品やサービスによって、どの業界に所属するのかが決まることをお話ししました。
また、企業の行っている事業というのは多岐に渡っていることも多いため、複数の業種にまたがる事業を行っている企業があることもお分かり頂けたと思います。
ITの需要や人材不足から今後も転職先の業界としては有望であること、しかし仕事ができる様になるまではある程度の努力や経験が必要になることもお分かり頂けたと思います。
転職者向けの補足として、実施している業務をアプリ寄りかインフラ寄りかで分類すると下記の様な感じになると思います。
- アプリケーション寄り
- ソフトウェア業界
- インターネット・Web業界
- 情報処理サービス(SI)業界
- インフラ寄り
- 通信・インフラ業界
- 情報処理サービス(SI)業界
ただし、システムを作る時には、アプリ、インフラ、ネットワーク等はどれか1つが必要になるわけではなく、まとめて一式必要になります。
よって、ある業種の企業に入ったからといって必ずその業種の業務に携わることになるかといえばそうとは限りません。
例えば、ソフトウェア業界やインターネット・Web業界の企業に入ってアプリ開発者として雇用されればアプリケーションを作りますが、インフラエンジニアとして雇用されればアプリではなくインフラを作ることになります。
通信・インフラ業界の企業に入り、社内の情シス部門に所属した場合は、社内向けのアプリケーションを作る場合もあるでしょう。
そのため、最終的には入社後の職種が自分が実施する業務内容の決め手になるのかなと思います。
以上、この記事がIT業界について理解するための一助となれば幸いです。
ここまでお読み頂きありがとうございました!!
